双華姫~王の寵姫~
それから数日間・・・那智は最高潮に忙しかった。


正妃になった那智に会おうと、馬鹿な親族が続々と集まってきたためだ。



「那智・・・・今度は宗本家の叔父様が来てるらしいよ?」


宗本家の叔父は最後まで那智を殺せと言っていた男だ。



いつだって権力が大好きな叔父の事である・・・那智に取り入ろうと来たのだろう。



それを考えるだけで・・・那智は頭が痛くなる。



「私会いたくない・・・・・」



チラっと柚那を見れば、柚那が溜息をつく。


「私に・・・・行ってこいって事かしか?」


久しぶりに会った柚那は相変わらず・・・那智そっくりだった。



馬鹿な親族なら騙せるだろう。



「・・・・だって妾は行きたくない」



有栖川本家にいれば、那智はいつまでたっても一番下の甘えられる場所にいられる。



子ども扱いは嫌いな那智だったが・・・それはとても心地が良かった。
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