双華姫~王の寵姫~
「だから・・・これで最後だ」



龍はそう言うと那智の口に口づけを・・・優しい優しい口づけを落とす。



これが最後だから・・・二人は自分に言い聞かせて。



あっという間のような・・・




とても長かったような・・・




二人の最後の口づけは・・・そうやって終わった。




唇が離れた時、それが二人の本当の別れの時。




那智が龍に向き直る。




宴の時は真正面から瞳を見る事ができなかったが、今は見る事ができる。




幼い頃からずっと一緒に育った初恋の人。



その人をずっと・・・覚えておくために。







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