双華姫~王の寵姫~
那智は何かを知っているような柚那に、教えてほしいと頼んだ。



「柚那・・・・お願い。何が起きているのか・・・・教えてほしいの」



それがどんな現実でも・・・那智はそれに向き合う覚悟ができていた。



「柚那・・・何が起きたの?」



父に那智が監禁されていると聞き、急いでここまできた柚那だったが・・・那智に会って伝えようかは迷っていた。



父の気持ちも分からないでもないから。



それでも・・・柚那は那智の味方だ。那智が望むなら教えようと思った。




「・・・・・辛い話になるよ・・・・それでも聞きたい?」



那智の答えは分かっていた。




それでも・・・・どこかで聞かないでおいてほしいと言う気持ちがあった。



「聞きたい」



その気持ちを裏切る様に、那智は即答した。


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