双華姫~王の寵姫~
「では・・・・王を探すのを手伝ってください」
未だに有栖川の姫の証である指輪を見たまま固まる兵士に那智は声をかける。
兵士がハッとなり膝をつこうとするのを、那智は止めた。
「今は・・・一刻も早く・・・王の元に」
どこにいるのか分からない王。
もしかしたら・・・と思う気持ちを那智は必死に隠し、兵士に頼む。
兵士もその気持ちが分かったのか、膝をつくのを辞め立ち上がると、那智を守りながら城に入っていく。
城の中は・・・まさに戦場だった。
あちこちで火の手と煙があがり、血だらけの兵士が倒れている。
「・・・・・何で・・・こんな・・・事に・・・・」
那智は言葉を失いそうになる。
「ここにはもう・・・・いないみたいですね」
走って王の政務室に来たが・・・当たり前だが志高の姿はなかった。
来る途中反王派からの反撃にあい、何度も倒れそうになった。
反王派の連中は、彼らにだけ分かるよう味方の証をつけているようで、つけていない那智たちは敵と判断されたのだ。
未だに有栖川の姫の証である指輪を見たまま固まる兵士に那智は声をかける。
兵士がハッとなり膝をつこうとするのを、那智は止めた。
「今は・・・一刻も早く・・・王の元に」
どこにいるのか分からない王。
もしかしたら・・・と思う気持ちを那智は必死に隠し、兵士に頼む。
兵士もその気持ちが分かったのか、膝をつくのを辞め立ち上がると、那智を守りながら城に入っていく。
城の中は・・・まさに戦場だった。
あちこちで火の手と煙があがり、血だらけの兵士が倒れている。
「・・・・・何で・・・こんな・・・事に・・・・」
那智は言葉を失いそうになる。
「ここにはもう・・・・いないみたいですね」
走って王の政務室に来たが・・・当たり前だが志高の姿はなかった。
来る途中反王派からの反撃にあい、何度も倒れそうになった。
反王派の連中は、彼らにだけ分かるよう味方の証をつけているようで、つけていない那智たちは敵と判断されたのだ。