双華姫~王の寵姫~
那智は一応一つ一つ部屋を見ていくが・・・・志高の姿はなかった。



(・・・・一体・・・どこに・・・・)



そう思った時・・・一つの場所を思い出す。



那智が泣きながら琴を弾き・・・・志高が泣きそうな顔で那智を自由にした・・・あの場所。



考える前に体が動く。



-パタパタ-



襲ってくる敵を返り討ちしながら、その場所までたどり着けば・・・・ここだけ違う世界のように静かだった。




梅の木を見れば・・・その下に座る志高を見つける。




その瞳があまりに悲しそうで・・・那智は声をかけるの忘れ、走りより抱きしめる。



突然現れた者に志高が剣に手をかけようとするが・・・・訪れた人を見て止まった。




「・・・・・・・那智・・・・華・・・・・?」



何故お前が・・・・志高の目がそう言っていた。
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