双華姫~王の寵姫~
「側にいます。妾が・・・最後まで・・・・あなたの側に・・・」



志高は流れてくる涙を止める事が出来なかった。



「那智華・・・那智華・・・那智華・・・・・・・」



名前を呼び抱きしめる志高を優しく抱きしめる。



志高も止める事が出来なかった。



もう二度と会えないと思っていた・・・愛しい人が自分の元に帰って来てくれたのだ。




それが嬉しかった。




「志高様・・・妾はきっと・・・志高様を愛していますわ・・・きっと」




何度もきっとと言う那智に、志高は場に似合わず笑えてくる。




「それが告白の言葉か・・・・」





確かに・・・と那智は思う。しかしここに来るまでいくら考えてもよく分からなかった。




ただ・・・死なせたくない。





自分が幸せにしてあげたい。




その一心でここまで来たのだ。
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