双華姫~王の寵姫~
那智は剣を身構え、志高の前に立とうとするが・・・志高がそれを許さなかった。



那智の服には血がついている。



ここまで那智が戦いながら来たのが分かるが・・・それでも志高は那智を戦いに巻き込みたくなかった。




「那智華は後ろにいろ・・・・」



と言った時・・・・・




「主上!!!」ご無事ですか・・・・」




幸也が血だらけになりながらも・・・・志高を見つけ走ってくる。




その横にいる那智を見て、驚いてはいたが・・・声には出さなかった。




「お二人とも・・・・お怪我は・・・?」





息を整えながら聞いてくる幸也に那智も志高も首を振る。





それで安心したのだろう・・・幸也は座りこんでしまった。




「良かった・・・・本当に・・・良かった・・・・・」




そう呟き泣く幸也の姿に、那智もまた泣きそうになった。
< 190 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop