双華姫~王の寵姫~
恐らく・・・・那智は志高が亡くなったら、ずっと一人で国の為に生きて行くのだろう。



志高には、そんな気がした。



「那智華・・・・最初からやり直そう」



そう言うと、志高は那智の方に向き直る。




「有栖川那智・・・私と共に歩んでほしい」




那智の華・・・その名に相応しい笑顔を志高に向ける。




「妾は・・・・志高様と共に生きるために戻ってきたのです。だから・・・一緒に生きて行かせてほしいです」




那智が顔を赤らめ想いを伝えれば、志高も少し顔が赤かった。



「もうこの後宮には・・・那智以外華はいらない。だから・・・私の側でずっと咲いていてほしい」



不器用な志高の、精一杯の想いが嬉しい。



「枯れないよう・・・水をきちんとやってくださいね?」



そう笑えば、志高の胸の中に抱きしめられる。









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