双華姫~王の寵姫~
いつの間にか眠っていた志高が目を覚ました時・・・那智はいつもの那智に戻っていた。


「おはようございます。よく眠れましたか?」


笑顔で尋ねる那智に、昨日の面影は微塵もない。


何も言わない志高に、那智は困惑する。


「・・・・・志高様?体調悪いですか?」


そう言いながら自分の手を頭にあててくれる・・・今までそんな事をしてもらったこともない志高は驚き、体がビクっとしてしまう。


「熱はないようですね・・・・どこかで頭ぶちました?」


那智は真剣な目で志高に聞いてくる。


-バコン-


志高の手が那智の頭を襲う。


「痛いですよ!!!せっかく心配していたと言うのに・・・こんな扱いないです!!!」


頬を膨らませて怒る那智に、志高もどこかでホッとする。


「お前が馬鹿な事言うからだ!」



お前と言えば那智からすぐに平手が飛んでくる。



「お前じゃないと何度言えば分かるのですか?」



これが・・・志高の知っている那智だ。
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