双華姫~王の寵姫~
「主上・・・お久しぶりですね?」
那智の父が初めに志高に声をかける。
その瞬間志高の顔が一瞬引きつったのを那智は見逃さなかった。
志高が当たり障りのない返事をすれば、那智の父はすぐに那智に向き直る。
有栖川当主が娘と妻を溺愛しているのは有名な話だ。
「那智・・・久しぶりだね」
少し前までは、毎日のように見ていた父の笑顔が那智を見つめている。
「父上・・・・お久しぶりです」
涙が落ちないよう父を見れば、父は懐かしそうに那智の髪を撫でてくれる。
「柚那から文を預かって来たよ」
父が志高の方を向き、ここで渡しても?と問えば、志高も好きにしろと頷く。
父から受け取った文からは・・・懐かしい柚那の香が那智の元に届く。
「柚那の文にも書いてあると思うが・・・・」
父はそこで言葉を切ると・・・申し訳なさそうに那智の方を見る。
「柚那の輿入れが決まったよ・・・森ノ宮の次男柊也殿の元へ」
森ノ宮柊也・・・柚那がずっと思い続けた相手だった。
那智の父が初めに志高に声をかける。
その瞬間志高の顔が一瞬引きつったのを那智は見逃さなかった。
志高が当たり障りのない返事をすれば、那智の父はすぐに那智に向き直る。
有栖川当主が娘と妻を溺愛しているのは有名な話だ。
「那智・・・久しぶりだね」
少し前までは、毎日のように見ていた父の笑顔が那智を見つめている。
「父上・・・・お久しぶりです」
涙が落ちないよう父を見れば、父は懐かしそうに那智の髪を撫でてくれる。
「柚那から文を預かって来たよ」
父が志高の方を向き、ここで渡しても?と問えば、志高も好きにしろと頷く。
父から受け取った文からは・・・懐かしい柚那の香が那智の元に届く。
「柚那の文にも書いてあると思うが・・・・」
父はそこで言葉を切ると・・・申し訳なさそうに那智の方を見る。
「柚那の輿入れが決まったよ・・・森ノ宮の次男柊也殿の元へ」
森ノ宮柊也・・・柚那がずっと思い続けた相手だった。