双華姫~王の寵姫~
森ノ宮と泉ノ宮の挨拶が終われば・・・・次は彼だった。
少しずつ近づいてくる時間に・・・那智は知らずと手が震えてくる。
それに気付いた志高が那智に声をかける。
「那智華?どうした?」
志高が那智華と呼ぶだけで、場が揺れる。
その騒ぎが今の那智には重かった。
(・・・・龍にも・・・聞こえているのね・・・)
志高がわざと大声で言っていると知らない那智は、ただただ心が痛いだけだった。
「何もありませんよ?」
志高の顔を真正面から見つめ、那智は平気で嘘をつく。
後宮に来てから、那智が唯一手に入れたのは・・・嘘をつく事くらいだ。
那智の変化に気付いているであろう志高も、それ以上は那智に何も言わなかった。
・・・・・・会いたかった彼まで・・・あと少し。
でも今の那智と龍の間には・・・目に見えない壁があるようだった。
少しずつ近づいてくる時間に・・・那智は知らずと手が震えてくる。
それに気付いた志高が那智に声をかける。
「那智華?どうした?」
志高が那智華と呼ぶだけで、場が揺れる。
その騒ぎが今の那智には重かった。
(・・・・龍にも・・・聞こえているのね・・・)
志高がわざと大声で言っていると知らない那智は、ただただ心が痛いだけだった。
「何もありませんよ?」
志高の顔を真正面から見つめ、那智は平気で嘘をつく。
後宮に来てから、那智が唯一手に入れたのは・・・嘘をつく事くらいだ。
那智の変化に気付いているであろう志高も、それ以上は那智に何も言わなかった。
・・・・・・会いたかった彼まで・・・あと少し。
でも今の那智と龍の間には・・・目に見えない壁があるようだった。