優しきコンビニ
パンツを被った強盗
夜十一時のコンビニ。

男が、スゴい勢いで入ってくる。

「金を出せ!急がないと殺すぞ。」

店員の田中は、うんざりした顔をする。
「あのさあ。渡辺さんでしょ~困るってってかめんどくさいだよね。」

「俺は、渡辺じゃないぞ!」

「それより、今はまだ店員一人だからいいけど。明菜ちゃん来たら恥ずかしいよ。渡辺さん明菜ちゃんが居ないの確認して来たでしょう?」

「俺は、明菜ちゃんなんか知らないぞ。あんまり馬鹿にするとこのカッターナイフで刺すぞ!」

「あ!お客さんいいですよ。こちらは、関係ないですから。あ~取り押さえなくていいです。はい。今芝居の稽古なんですよ。煙草ですか。六二番を二つですね。八百四十円です。ありがとうございました。」
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