それでも、まだ。
朝食を食べて部屋を出た神田は、シーホークが帰ってくるまでどこに行っていようかと考えを巡らせた。
先程モニタールームへと立ち寄ってみたが今日はなぜかしまっていて、手持無沙汰になったのである。
気付いたら階段がある踊り場のところまで出てきていて、私室やモニタールームが2階であるため2階にいた神田は、ふと1階のほうを見やった。
『あ、あれは…』
そこにいたのは金髪の大柄な男で、一目でリーヤであると分かった。リーヤは1階の奥の方へと進んで行っている。
もしかしたらもうシーホークも帰ってきているのかもしれない。それにまだ1階は見て回っていない。
神田はリーヤのところへ行こうと階段を降り、リーヤが向かっていった方へと小走りで行った。
『あれ……?』
しかしそこにはリーヤの姿はなく、薄気味悪い廊下が長く続いているだけである。
神田が少し身震いしながら慎重に先に進んでいくと、ひとつの古い扉があった。
『ここに入ったのかな?』
神田は恐る恐る扉に手をかけた。鍵などはかかっておらず、扉は鈍い音を立てながら簡単に開いた。
『リーヤさん…?』
呼びかけたが返事はなく、神田は辺りを見回した。
周りには爆弾などの武器がたくさん並べられていた。武器庫のようなものだろうか。
そして部屋の中心には古びた木製のテーブルがあり、上には透明な袋に入った何種類かの白い粉末と、その隣に薄い冊子のようなものが置いてあった。
神田は深く考えずにその冊子を手に取った。
パラパラとめくっていたが、ふと神田は手を止めた。