それでも、まだ。
『これはこの粉末の説明…?』
神田はポツリと呟いた。手には汗が滲んできているのを感じた。
<No1>
…主に人間を即死させる。飲ませても、風に乗らせて吸わせても効力大。
<No2>
…Seakの力を増大させる。元々あまり力を持たないものでも、十分な作用を持ち、凶暴性を増加させる。
神田はしばらく文章の意味を理解することが出来なかった。
―――これは何?
人間を即死させる?力を増大させる?これらを使って何をするつもりなのだろう。
ふとレンの言葉が蘇った。
―――奴らは人間をすごく嫌っていて…
これらで人間を殺すつもりなのだろうか。でも人間界にはいけないはずだ。
でも世界会議を利用すれば…?
疑問と嫌な予感が大きく神田の胸を覆い尽くした。
――――ウォォォオ!!
神田はびくりと体を震わせた。今のは部屋の奥からだろうか。
よく見ると奥にもう1つの扉があるのが見えた。
恐る恐る神田は近づいた。頭では警鐘が鳴り響いている。
震える手で扉を開けると地下へと繋がる階段があった。ゆっくり降りていき、しばらく進んでいくと開けた場所が見えた。石でできた空間にに牢屋のようなものがある。
咄嗟に身を隠して様子を伺うと、そこにいたのは、
リーヤと、牢屋に入れられた狂気に満ちた目をした多くのSeakたちだった。