それでも、まだ。
『そこまでは正解です。でもあの薬を使って何をするか、は半分正解ですね。』
シーホークは愉しそうに言った。
『人間を滅ぼすのなんて、容易いことです。それでは彼らの罪は軽すぎる。もっと苦しんでもらわないと。まあ、世界政府は殺すつもりですが。』
『どういう…』
神田が目を見開いたままいうと、シーホークは笑みを消して神田を見た。
その表情は感情は何もなく、だが憎悪だけは濃くわかって神田は震えが大きくなった。
『人間には私たちのために働いてもらいます。私たちをこの世界だけを与え、このような仕打ちをしたのを後悔するまで。』
そう言うとシーホークは神田の方に近づき、神田の頬を優しく撫でた。しかし、その手はとても冷たかった。
『でも、神田さんは特別にしてあげましょう。』
『い、いやっ…!』
神田はその手を振り払い距離を開けた。
『どうしてですか?あなたが望んでこの組織に来たんでしょう?』
『そ、それは……』
神田は思わず俯いた。
『それに、私たちは神田さんに感謝しているんですよ?』
『え?』
神田は顔を上げてシーホークを見た。