それでも、まだ。
『あ、あの……?』
黙っている私たちを見て神田は不思議そうに言った。
―言えるはずがない。
"人間"である神田には。
『…武器を扱う仕事だ。』
不意に、ジルが口を開いた。
『武器を…?』
『ああ、俺たちは世界中にある不要な武器や、危険すぎる爆弾などを回収しているんだ。』
『この組織にですか?』
『そうだ。とても危険を伴う仕事だ。ある程度はそれらを扱えなければならない。だから修行もしているんだぞ。』
…さすがジルさん。
嘘とは思えないほどの説得力のある説明だ。
先程自分が手榴弾を使ったこともフォローしてくれたのだろう。
『そんな大変な仕事をしているんですか…。その、セシアさんもですよね………?』
神田が恐る恐る聞いた。
『………。ああ。』
ジルが答えた途端、神田はものすごく悲しそうな顔をした。
なんでそんな顔をするんだ?
そんな悲しそうな顔をされると、こっちまで悲しくなってくる。
なぜそう思ってしまうのかは自分でもよく分からないが。
『…まあ、僕たちは大丈夫だからさ。真理ちゃん、疲れたでしょ?セシア、部屋に連れていってあげて。それから僕の部屋においで。』
レンが話を終わらせ、ジルと広間を出ていった。
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