それでも、まだ。


『じゃあ、そろそろ本題にいこうか。セシアのことについて、ね。』


レンがパンッと手を叩くと、神田は座り直した。


手に汗が滲むのを神田はかんじていた。



『セシアは…、真理ちゃんが思っている友人と、まず同一人物だろうね。』


『……。』



――やっぱり。…そう思った。


別にそれは驚かない。問題は、そこじゃない。



『…ハハ、そこはお見通しってわけね。』



レンは苦笑いをして、もうぬるくなったであろうお茶を飲み干した。



『…まずは、お茶注ぎましょうか?』



神田が何気なく聞いた。



『あ…うん。じゃあお願いしようかな。』



レンがそう頼むと神田は笑顔で返事をして立ち上がり台所へポットを取りに行く。


そして戻ってきてさりげなくジルやマダムの分も丁寧に注ぎ足していく。



そのひとつひとつの仕種に育ちの良さを感じさせる。


神田はポットをテーブルの脇に置き、椅子に座った。



『それで、その…。セシアさんはどうして殺し屋に?彼女は死んだんですよ?』


神田が真剣な顔つきで尋ねた。



『…確かにセシアは、…いや、石井結菜かな?殺されたよ。でも、僕たちが生き返らせたんだ。』



その言葉に神田は耳を疑った。



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