それでも、まだ。


その一連を見ていたレンは一瞬呆気にとられていたが直ぐに笑い出した。


『アハハハハっ、容赦ないなぁ、セシアは。』



『…誰のせいだと思ってるんですか。』


セシアは未だ顔を赤くしつつレンを睨んだが、レンは気にもせずにヘラリと笑った。



『まあまあ、そんなに怒らないの。それよりセシア、僕と手合わせしてくれる?』


『…!』






――――――



パァァァンッ


『――…くっ!』



あれからお互いにウォーミングアップをしたセシアとレンは、今はひたすらに木刀で打ち合っていた。



『…もう限界なの?セシア。』



すでに息が上がっているセシアと対称的に、レンは余裕の表情だ。息も全然きれていない。




――悔しい。



『……まだまだいけます…っ!』


――私だって早く……。




『…そうこなくっちゃ。…いくよ!!』




――認めてもらいたい…!



セシアはグッと木刀を握り直した。



――私だけ何も知らないのは嫌だ。私だって…!




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