それでも、まだ。
暗闇と再会
――セシアの傷が癒えるくらいに時が過ぎたある日。
神田とセシアは組織の建物から出て、漆黒の森沿いの道を歩いていた。
『…セシアごめんね、付き合わせて。』
『気にするな、私も行ってみたかったし。』
なぜ2人がこのような所で歩いているのか。
それは神田の一言が始まりだった。
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『そういえばここの食糧は、どこで手に入れているんですか?』
朝、朝食を作り終えた神田は、ずっと疑問に思っていたことを幹部たちに聞いてみた。
神田はいつも料理を作るが、食糧はいつの間にか補充されていたので、ずっと不思議に思っていたのだ。
『…市場があるんだ。漆黒の森沿いを進んだ先にな。』
ジルが答えると、シキも身を乗り出して続けた。
『そやそや!めっさ不気味な場所にあるよな〜。』
シキが身震いをする真似をすると、マダムもクスクス笑った。
『墓場もあるしねぇ。』
『…セシアも行ったこと…ないよ……モグモグ……ね?』
『…食べるか話すかどっちかにしてください。…ないですよ。』
『…あ!レン、また俺のメシ食ったやろ!!』
『早く食べない方が悪いんだよ〜。』
一気に騒がしくなった食卓で、ずっと黙って食事をしていたアヴィルは、はぁ、と溜め息をつくと、静かに口を開いた。
『セシアと真理で市場に行ってみればいいだろうが。』
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