時を止めるキスを


男に依存するのは好きじゃない。恋愛に必死になるのも面倒。男性ウケすら考えたこともない。


合コン特有のノリに合わせるのも疲れる。お酒や食事がちっとも楽しめないのだから。


かと言って、20代後半にもなると徐々に誘われる回数は減ってきていた。ほんのり悲しくもあったが、気楽だと思っていた能天気な私。


だって、彼氏がいるのに付き合わされるという煩わしさから解消されたのだから。


ただ、一向に結婚の気配が感じられない状況を案じていたのは、当の本人ではなく母の方。


いつからか冷蔵庫を整理する時は、“女にも賞味期限があるんだからね”と、ちらりと見て言ってくるようになった。


はいはいと聞き流していたのも、“結婚なんていつか出来る”と、何の根拠もなく自らを安全パイに据えていた。


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