Blood Smell
たどり着いたのは
学校の化学準備室


今日は暗幕も開けて
月明かりが部屋に入る


先生がいつも座るソファーに腰を下ろした


隣に寄り添うように先生が隣に座る


きしむスプリングが私に緊張感をよみがえらせる


さっきの二人…


もしかしたら今から先生と…?



「冴…。」


先生が手の甲で私の頬を撫でる


ドキン
ドキン


鼓動が定まらない


「怖かったか?」


え?


想定外の言葉にからだの力が抜ける


「エリザベスだけじゃない。ダンまで家に来てしまって…せっかく、二人っきりで楽しむ夜が…。」


その事か…



「確かに…色々あったけど、少しだけ先生に近づけた気がするから…いいの。」


力なく微笑む先生の顔を両手で包んだ
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