Blood Smell
冷たい感覚
それが今ではこんなにも愛しい


「私はもっと先生を知りたいし、先生に近づきたい。
さっきのエリザベスが言っていたゲームとやらも知りたいし。」



私の言葉に一瞬にして先生の顔が険しくなった


「ダメだ。
ダメだ冴、それだけはできない。」


「どうして?
私こう見えてスポーツは得意なんだからね。」


はぁ
呆れたため息混じりに先生が私の両手を外して
しっかりと握りしめた


「俺たちのゲームは人間のするようなゲームじゃない。
もっと…高度で危険なんだ。冴には無理だ。」



無理だの一言で切り捨てられた私


「そんなことな…」


「黙って。」


先生の唇が私の唇に重なった


押さえつけるような
強引で熱いキス


「んんっ…!」



私は必死で先生のキスに答える力を守った


じゃないと
全身の力が抜けてしまう


やっと唇が離れた頃
私は力なく先生の胸に崩れた


「もう寝るんだ、冴…。
続きはまた明日な?」



太陽のように温かく優しい笑顔に照らされて私は眠りについた
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