Blood Smell
うっすらと目に写ったのは白い天井


次第にはっきりしてくる視界


ギプスで固定された足は天井から吊るされて


頭上には細い点滴の管が光っていた


体が重い
頭がくらくらする


「冴…?」


心配そうに覗き込むのは
先生


目線が合うと
優しく微笑んだ


「気分は?」


ヒンヤリとした先生の手が額に触れる


気持ちいい…


ゆっくり瞼を閉じる


「冴っ?」


さっきよりも緊迫した声が耳に届く


再び瞼を開けると
先生が安堵の息をこぼした

「頭がくらくらする。」


呟いた私に悲しそうに微笑む先生


「痛み止を飲んでるからだ。少し規定量より多めだがな。」


「そっかー。」


重たい頭が思考を鈍らせる
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