Blood Smell
私が不安を言えば
きっと先生は何倍もの重さにして自分を責める



それだけは嫌だ



私のことで先生が自分に負い目を感じるようなことはなんとしても防ぎたい



「大丈夫。
足に躓いちゃった。」



「たくっ、
気を付けろよ?」


先生がゆっくり私を立たせてくれる


そして
冷たくて優しい胸に抱き寄せた



「冴が傷ついたら、俺の胸は砕け散る。

忘れるな?
冴が傷つくけばその分俺が苦しいことを。」



降ってくる暖かい言葉


でも


ダンのあの目が
言葉が


私を安心させてはくれなかった
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