Blood Smell
ゆっくりベッドに座って
先生の肩に頭をもたれさせる


「ねぇ先生。
先生はどうして先生になったの?」


先生はヴァンパイヤだけど隠そうと思えば完璧に隠せるだろうし


先生の家はかなりのお金持ち



別に働かなくてもいいんじゃないのかなぁ




「…人間を知りたかった。」

先生がゆっくり口を開いた

「俺たちにとって人間は弱く脆い。そして…」


先生が私をチラッと見た


「食料?」


私の言葉に頷く



「でも、人間には俺たちにないものを持ってる。
俺たちには理解できないものも沢山ある。

だからこそ、知りたいと思った。」



三日月を見上げる先生

ヴァンパイヤが持ってなくて人間が持っているものってなんだろう


そんなものあるのかな?



「でも、なんで生物教師なの?英語だってペラペラなんだし、運動神経いいし、他にも色々先生に合ったものがあるんじゃない?」


「生物学上、最強の生き物だから?」


言いながらクスクス笑う先生



「はいはい。そうですね。」

真面目に答えてくれると思ったのに…



「じゃぁ、どうして婚約者のエリザベスじゃなくて私を選んだの?」



エリザベスは人間離れした完璧なスタイルと美しさの持ち主



そんな彼女よりも私を選んでくれた先生


嬉しいけど…


理由が気になる

< 125 / 303 >

この作品をシェア

pagetop