Blood Smell
それが間違いだったのかもしれない…



明弘は
転校初日から熱烈な視線を送った

―そんなつもりは更々無いけど―


私を気に入ったのか


いきなり私の隣の席がいいとか言い出して



クラスのみんなは騒ぐ騒ぐ…



「いきなりのアプローチだもんね?
アレは冴に気があるね〜。どうすんの?
先生がこの騒ぎを聞かないはずないと思うけど。」


どこか楽しげに言う
春奈の言葉が


目の前の数学よりも重くのし掛かった




ほんとに…


何考えてるんだろう


あの転校生は





先生が…

何も聞いていなければいいなぁ



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