Blood Smell
ベランダで心配そうに私を見つめるヴァンパイア


「先生?」


窓ガラス越しに先生に近づく


「何があった?」


「え?」


先生の手がガラス越しに私の頬に触れた


「鼓動が早い。」


憂いを含んだ凍える赤褐色の瞳…


「ちょっとビックリしただけ…。
大丈夫。」


自分に言い聞かせるように私は言う


「そうか…。」


渋々納得した様子の先生

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