Blood Smell
「ところで、今日は何で準備室に来なかった?」


腕を組みながら
私を冷ややかに見つめる


「自分で考えてください!」


先生が授業中に私にしたことは絶対に許さないんだからっ!



精一杯睨み付ける私に
先生は鼻で笑う


ムキィー!!
上から目線がなんか悔しい


「…そうか…。」


不適な笑みを浮かべて
先生が窓を静かに開ける


「な、何勝手に入って…!」

その瞬間
先生が目の前から消えた


それと同時に身体が中に浮いて、必死で悲鳴を堪えた

「まったく…手のかかるお姫様だよ。」



私を軽々とお姫様抱っこした先生はそのままベッドに座った



そして
私を膝の上に向かい合うようにして座らせる



一気に縮まる距離

目の前には美しい顔


「や…だぁ…。」


俯いてもがく私を平然と押さえ込んで


チュッ!


かろやかな音と共に額に冷たい感触


「ごめん…冴。」


さっきとは別人の様な甘い声



ドキン


ドキン



鼓動が全身に響く
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