Blood Smell
「なにかあったんですか?
いつもの中野さんらしくありませんよ。
そんな冗談を言うなんて。」


先生も私を見つめ返した

ゾクリと背筋に冷たい感覚が走る

そう・・


この視線の感覚は昨日と一緒・・・


「先生。
本当は“ヴァンパイア”なんじゃないですか?」



沈黙が部屋を満たした

私は真相をついて先生の反応をうかがう

「・・・あはは!
何の冗談ですか??」

冷めた笑いと一緒にあきれたようなため息が聞こえた

「冗談なんかじゃありません!!
私、見たんです!
昨日の夜、先生は金髪で赤い目をしていて
口から2本の牙が生えていた!!

そして私を助けてくれた。」


真剣に訴えた

「・・・夢でも見たのでしょう。」


「でも・・・」


「さぁ、授業が始まりますよ。
出て行ってください。」

先生は冷たく言い放つと抵抗すら与えてくれないほどの
威圧感で私を部屋から追い出した
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