Blood Smell
先生は
私をそっと抱きあげる


そして
ものすごい形相で
ダンを睨みつけた


威嚇する唸り声が
暗い公園に不気味に響く


空気が一瞬にして
殺気に満ちた


「なんだ
意外に早かったな…。」


そんな先生を前にしても
まったく動揺を見せずに
ダンはため息をついた

「…どういうつもりだ…?」

低い
さっきのダンにも負けないような
恐ろしい声

「冴は何も知らないと言ったよな?
…それなのに…こんな事をして…。」

まるで
猛獣のように牙をむき出しにして
ダンに怒りをぶつけている
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