Blood Smell
「お前ととその人間が
デキてるのは知っていたからな

尋問の基本だろ?
情を交わした奴らの言葉は
信用できない…。」



その刹那
耳をつんざき
頭を割るように鋭い
叫び声が辺りに轟いた


それが先生のモノだと
気付いた時には


先生の顔は
もはや元の整った美しい物ではなく

恐ろしい
獣の様になっていた


「はは…。」


ダンの乾いた笑いが響く

「まさか
ただの人間を少し痛打っただけで
そこまでキレるとは…

お前は…どこまで腐ってしまったんだ?」


先生は
ダンの挑発に
今にも飛びかかりそうな勢いだ


「まぁ…それはいい。
おい。人間。」


急に話を振られて
私は小さく振るえた
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