Blood Smell
放課後
私はお弁当箱を取りに準備室に向かった

階段を一段上がるたびに
「先生がお弁当を食べてくれてますように」

なんて祈ったりして・・・


オレンジ色に染まる校舎

ある教室の前を通ったときに声が聞こえた

「・・・大変ですね・・・」

「・・・です」

あ・・・
もしかして先生の声??

私はそっと教室を覗いた

オレンジ色の教室の中に
先生と見たことの無い髪の長いキレイな女の人が話していた

「その女子生徒にも困ったものですね。」

真っ赤なネイルが印象的な長くて細い指が
先生の頬を撫でる

先生は何も言わずにその人を見つめている

「少し痩せましたか?」

女の人の手は先生の胸に置かれ
そのまま頭を先生にもたれさせた

先生はその女の人を片腕でそっと抱きしめた




私は目の前の出来事に耐え切れなくなってその場から逃げ出した
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