Blood Smell
「先生…
ここ…」


私の言葉をさえぎるように
先生が口を開いた

「俺の部屋。」


「え?
だって病院って…。」



「安心しろ。
ちゃんと病院で検査をして
医師の許可も得てこうしてる。

冴のご両親には
友達と勉強合宿をするから
登校日まで外泊すると言ってある。」



「…そこまで…。」



「…すまない。
ダンの事があって
冴をこのまま自宅や病院に帰すのは
抵抗があったんだ。

だから
勝手な真似をした…。


もちろん
冴が嫌なら動けるようになるまででもいい。


だから
しばらく
俺の傍にいてくれないか?」


いつも俺様な先生の
たまに見せる
弱い部分…


私のために
先生はこんなに努力してくれてるのに


きっと
また自分を責めてるんだ…


思わず大きなため息が出た
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