Blood Smell

「冴？！」


怯えたような先生の声
私は
握っていた手に力を込める


「いい加減に
私がけ怪我をするたびに
自分を責めるのはやめてください。

私が好きで、望んで
先生と一緒にいるんです。

だから
怪我をしても私の責任なんです。

そんな風に
自分を責めないでください…。
じゃないと
私…辛くて…どうしていいかわからないよ。」



自然とあふれる涙は
重力にあらがう事なく
まっすぐ
枕にしみていく


「冴…。」


先生が
そっと私の髪に口づけるのがわかった


「先生…好き。」


「ああ。
俺も好きだよ。


早く動けるようになってくれ。」


「うん。」


「その時は
今の分も含めて
たっぷり気持ちを伝えるよ。」


「え？」



明るい
日差しが差し込む部屋は
私たちの笑いに満ちていた