Blood Smell
数日後
やっと動けるようになった私は

まだ背中の痛みは残るものの

なんとか日常生活をこなせるまでになった



「冴さん。修二。
ちょっといいかな?」



先生に入試の小論文を採点してもらっていた時
学園長先生に呼ばれた


なんだろう?


不思議に思いながら
応接室に入ると

愛子さんの優しい頬笑みに出会う

「さ、座りなさい。」


学園長先生に促されて
私たちは
並んで
学園長と愛子さんに
向かいあうように座った



「ライカンの件だが…」

学園長先生の言葉にその場の空気が静まり返る

思えば
あの夢で斎藤君に会って以来
今日まで
全く話題に触れていなかった


ううん…

本当は
考えたくなかったのかもしれない
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