Blood Smell
「…それで
戦争はどうなるんだ?」

先生の神妙な声

「とりあえず
上層部が話し合いを進めている

おそらくは
今回を教訓に新たなる
より強い
共存共栄を結ぶんだろう。」


「…そうか…。」


「冴さん…。」


学園長先生の優しい声に
私は顔を上げた


「巻き込んでしまって申し訳なかった。
冴さんにとっては
悲しい結末になってしまったが…

これが
私たちの生きる世界なんだよ。

だから
慣れてほしいとも
許してほしいとも言えない


ただ
理解してほしい…。

今回の事件は
私たちの胸に大きく刻まれた。
もう二度と同じ過ちはくり返さない。

約束しよう。」



斎藤君の死が無駄ではなかった

そう
思ってくれるように

斎藤君の悲しみは
私たちが忘れないよ


「はい。
私も…忘れません。」




私の言葉に
学園長先生は深く頭を下げた


「ありがとう。」
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