Blood Smell
「冴、はい。」

「ありがとう。」

河合クンはUFOキャッチャーでとった
マスコットを私にくれた

「似合うじゃん?」

「本当に??
嬉しい。」

マスコットをバッグに着けた
白いウサギが優しく微笑みかける

「なぁ、、、夏が終わっても
そのマスコット付けていてくれないか?」

河合クンの真剣な顔がUFOキャッチャーのガラスに映った

「え?」

その横顔を見つめる
細くて切れ長の瞳
整った男らしい頬

日に焼けた顔

「冴が好きだ。」

小さく
でもはっきり聞こえた・・・

二人の間の時間が止まる

ゲーセンの煩い音も私達二人には届かなかった
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