Blood Smell
姿はないのに笑い声だけが聞こえる

「先生!?」

小声で呼びかけた

それでも先生は現れない

「もぅ、勝手にしてればいいじゃないですか!!」

私は部屋からでていこうとドアノブに手をかけた

そのとき
トンっと後ろからドアを押さえられた

「ごめん・・・。」

私は何も言わずに先生を見ようともしなかった

「・・・ごめんってば。
さーえ??」

あやすような声が聞こえる
それでも私は耐える

「ったく!」

その瞬間身体が宙に浮いた!?

私は悲鳴を必死に抑えた

お姫様抱っこをしたまま先生はベッドに座った

「許してくれないかな?
・・・お姫様☆」

額にチュッとキスが落ちた
まるで
氷を当てられたような感覚


本当にずるいよぉ

「許す・・・。」


にっこり微笑んで私の髪に顔を埋めた

「本当に・・・冴のこの香りが俺を狂わせるんだ。」

うっとりした表情で先生は私の耳の後ろを鼻で探る
ゾクゾクっと身体が喜ぶ

「か・・おりって?」

「んー・・・?
今は知らなくてもいいよ・・・。」

「でも・・・!」

「黙ってー・・・。」

先生の冷たい唇が私の唇をふさいだ
触れるだけのキス

瞳を開けたとき
先生の顔がさらにやさしく見えた
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