Blood Smell
でも
そう思ったときには
もう女の子たちは居なくなったいて

私は
気を取り直して
生物準備室のドアを開ける

「ノックという言葉を知りませんか?
中野さん?」

学校モードの先生
白衣をだらしなく着こなして
生物学書を片手に
イタズラっぽく微笑んだ

「ノックしようとしたけど…
先客のお邪魔になると思って。」

ふてくされて答える
少し棘あるのに気づいてくれるかな?

「そうですか。
お気遣いありがとうございます。
それよりも
早くドアを閉めてもらえませんか?

この話し方は…疲れるんでね。」

ムキー!!
私は力に任せてドアを閉めた

「ありがとう。
ドアが泣いているよ・・・。」

先生って本当に食えない!!

なんで?
150年も生きてるからって……

私は先生の向かいのソファーに
ドカッと座った
テーブルの上に弁当を置く

「おっと…

もしかして俺の分もある?」

「ありますけど何か??」

先生は気まずそうに
私の向かいに座った
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