Blood Smell
「あの子のうちに泊まってくるから。」

「はーい。
迷惑かけないようにしなさいね。」

「はーい。」
お母さんは基本的に放任主義
でも
自分の責任で行動しなさいっていう
厳しい人


だからこそ
先生の事は口が裂けてもいえない…

「おまたせしました。」

「では
行きましょう。」

無表情の女の子は私の数歩前を歩き出した
しかも
日傘をバッチリ差している

私は無言でついていく

なんか
この人苦手…

しばらく歩いたところに外車が止めてあった
スポーツカーみたいな
ピカピカの高級車

「すごーーぃ…。」


「どうぞ、お乗りください。」

後部座席はないから必然的に
助手席
のドアを開ける女の子

私はおずおずと乗り込んだ

「おはよう。」

運転席に乗っていたのは…

「先生?!」

ダメージデニムに黒のセーター
かなりの薄着
体の形がはっきり分かる…

ソフトマッチョ…
頬が赤くなるのを感じる

「どうした?
シートべルトを占めて…」


そういって先生は私のシートベルトに
手をかけた

今日は髪の毛もちょっと立ってる

「よし。
行くか。」

「ま、まって!
あの女の子は??」

私は車の外を見た

女の子の姿はどこにも居ない


「あれ…?」

先生はクスクス笑って車を発進させた
< 72 / 303 >

この作品をシェア

pagetop