Blood Smell
ダイニングには
パスタと色とりどりのサラダ
スープ
ワイン

豪勢な料理がテーブルに並んでいた

「さぁ、座って。」

学園長先生はすでにワインを飲んでいる

「冴さん、いっぱい食べてね。
久しぶりのお客様がこんなに可愛い子で…
嫌いなものはないかしら?」

愛子さんはエプロンをはずして
私を席に促す
きれいな笑顔に思わず見とれてしまう

「ありがとうございます。
いただきます。」

私は料理に手をつけた

「おいしい!!
すっごくおいしいです。」

料理はどれもこれもおいしい
夢中になってしまう

「よかったわ。
修二は冴さんの好きな料理を教えてくれなくて?」

愛子さんの視線が先生を攻めた

「だって、本当に知らなかったんだよ。」

先生は逃げるようにワインを口にした

私はハタと気づいた…

私以外の先生たち家族は
ワインしか口にしていない

先生は食べなくても当たり前だけど
ご両親も食べてない…

てことは…?!

先生をゆっくり見る

「ご名答。」

先生はニヤリと微笑んだ

「いやぁ、おいしそうに食べる姿は実にいい。
最近はこんな風に食卓を囲む事が少なくてね。」

学園長先生はまったく酔っている様子もなく
ワイン楽しんでいる

「そうね。
私も作りがいがあるわ。」

愛子さんも微笑んだ

って事は
この豪勢に並べられた料理は
全部私一人のため??

ゆうに2~3人分はある

私…食べれないかも

私は美形色白家族の質問と
ついていけない優雅な話に満たされながら
必死で料理を食べた

せっかく作ってくれたのに
残すと…嫌じゃん?
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