Blood Smell
エリザベスは今度は先生を睨み付けて唸り声をあらげた


「エリザベス、場所をわきまえなさい。初対面の人に失礼よ。」


愛子さんがいつの間にか私の前に立っていた


「少し、落ち着いて。」

そして学園長先生がエリザベスの肩にそっと手を置く

エリザベスは促されるように禍々しい形相を解いた


「修二、冴さんを休ませてあげなさい。」


学園長先生が優しく言った

先生の腕の中で私の体は小さく震えていた


「大丈夫だよ。
俺がお前を守るから。」


先生の優しい声でも
私の震えは収まる事はなかった
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