Blood Smell
先生に続いて玄関ホールに降りていく


エリザベスが鋭い視線を私に向ける


背筋に走る恐怖感


ぎゅっ…
先生が私の手を力強く握ってくれた



大丈夫




そう言ってくれてるように感じて安心できた



バーンッ



玄関のドアが大きく開け放たれ銀髪の白人の男が颯爽と入ってきた



「ダン!」


エリザベスがほほを高揚させながら、嬉しそうにその男に歩み寄った


「やあ、エリザベス。」

上品な微笑み
真っ白な肌
エリザベスを軽く抱き締めると挨拶なのだろうキスを交わした



あの人も

バンパイアだ



私は確信した


男の視線がこちらへ向く


「よう、ダン。元気そうで何より。」


先生が言う


あの人ダンっていうんだ


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