Blood Smell
先生の挨拶にいたずらな笑みを浮かべる



「お前は変わったなぁ…シュルド?」


ダンはそのまま私に視線を写した


エリザベスとは違い

生命の防衛警報は鳴らない


物腰の柔らかい
視線


どこかのモデルみたい

すらりと伸びた長い手足
切れ長の瞳


不意に心が高鳴った



先生がゆっくり私を見る


バンパイアって
心臓の音が聞こえるの?!
氷の一瞥を食らった気分
先生は不満そうにため息をもらした



「そちらにいらっしゃるのは…」


一瞬にして私の背後にダンが立っていた


耳の後ろを鼻先でなぞる



「いい香りだ…。」


ゾクゾク……!!



戦慄に満ちた恐怖感が私を駆け抜けた
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