青春途上中〈4〉
俺が駆け付けた時には、普段のあいつが何処にもなかった。

いたのは狂気と冷たい目をした松橋だ。

ぶっ倒れている奴等が、怯え壊れていくのを楽しんでいる。

俺が声を荒らげて叫ぶと、チラッと横目で見るだけだった。

「ああ…、ちょうどいいや。
お前ら言ってたよな?」

連中等の誰かが持ってきた刃物を手に取り何の躊躇いもなく自分の腕に切りつけた。





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