青春途上中〈4〉
「こうなったって伊崎は反対に喜ぶだけだ。
残念だったな」

一歩も動けずにいた後ろで篠原が圧のある声で叫ぶ。

「松橋!」

松橋は仲間に手を挙げない。
ましてや、頭の篠原になんて挙げる事すら考えない。

避けれる筈の篠原も素直に拳を受けている。

最後の一発を篠原に受け止められていた。

「帰ってこい」

狂気に満ちた目が消えていく。

「…しのは…ら」

そのまま松橋は気を失った。





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