青春途上中〈4〉
これもまた、何も言わずに松橋は、ギュウと抱き締めてきた。

恥ずかしがって自分からは絶対にしない行為だ。

「おい、どうした?」

いつもなら部屋が濡れるとか怒鳴り散らすくせ。

「…………わかんねぇ」

雷が鳴ると肩をビクつかせている。

「あー…、お前、雷怖いのか?」

松橋の目を真ん丸して俺の顔を見ている。

「んな訳ねぇだろ!!」




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