青春途上中〈4〉
「いや…、いいのか?」

今日の伊崎は忍者のように気配がねぇ。

「何が?」

「さっきの女達…」

伊崎は、眉間に皺を寄せて怪訝な顔をする。

「知るか。
勝手に人の前で喋りだした」

「いや、ナンパだろ」

今も女達は、こちらを見ている。いや、伊崎は女達に背を向いているからわからないが、あれは睨まれてる。

「くせぇ女の話してんじゃねぇ。荷物貸せ」





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