人心は、木漏れ日に似る
「あれー、森の近くの廃屋?
確か、私達も行ったよね、海里君。
赤い石の、指輪みたいな……あったっけ」
ほのみの柔らかな声がして、海里はゆっくりと思い出す。
黄ばんだ白壁の廃屋。
裏手には森。
廃屋の中には、埃と蜘蛛の巣、錆びた机……
「……ああ」
海里がポケットの中を探ると、円い金属が指に触れた。
「廃屋の中の、机の引き出しに……」
海里が、引き出しに入っていた指輪を、江上冬乃へ差し出す。
確か、私達も行ったよね、海里君。
赤い石の、指輪みたいな……あったっけ」
ほのみの柔らかな声がして、海里はゆっくりと思い出す。
黄ばんだ白壁の廃屋。
裏手には森。
廃屋の中には、埃と蜘蛛の巣、錆びた机……
「……ああ」
海里がポケットの中を探ると、円い金属が指に触れた。
「廃屋の中の、机の引き出しに……」
海里が、引き出しに入っていた指輪を、江上冬乃へ差し出す。