人心は、木漏れ日に似る
ほのみは、少し考えてから、口を開いた。


「ねえ、海里君。

木漏れ日って知ってる?」


唐突な問いに、海里は眉をひそめた。

「……知ってるけど」


そっか、とほのみは屈託なく笑う。


「木漏れ日って、きれいだよね。

葉っぱから漏れた光。

私、昼間のラリーの時も、見つけてたんだけど」


海里はあいまいに頷く。

それが人付き合いと関係あるのか、海里には分からない。


「でね、何が言いたいかっていうと、

人も、木漏れ日と一緒だと思うんだ」

ほのみは、それこそ日だまりのような笑顔になった。



< 121 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop